孤島の夕暮れ

序章

　今思い返せばイギリスとはなんていい国なんだと実感する。正直こんなことなら一生イギリスで暮らしたい。何故俺がこんなことを言っているか全く見当がつかないだろう。
　自己紹介しよう。俺はジョン・アンカー。イギリスのイングランド、リヴァプール出身。親父は銀行員、お袋は専業主婦ってやつだ。アンカーって名字は珍しいと思うよな？俺のご先祖さまは海軍士官…お偉いさんでトラファルガーの海戦で何かしでかしてアンカーっていう渾名がついたんだ。そのうち名字がアンカーになったらしい。
　まぁそんな話は置いといて本題だ。俺は学生なんだが将来造船所で働きたいって親父に言ったら親父のやつ、お前も銀行員をやれだの造船所なんかお前が行く場所じゃないだのうるさくてね。軽い家出のつもりで家を出たんだこういう時の為に貯金を幾らか貯めといたし不安は無かった。