序章

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 家を出た後は行くとこが無かったから、知り合いのブラウンおじさんのいる造船所に行ったんだ、造船所では偶々廃棄される年代物(悪くいえばオンボロ)の木造船があった、俺はその時何故かその船が突然欲しくなった。海軍士官のご先祖さまの血を受け継いだせいか、親父のいるリヴァプールから離れたかったのか、今では思い出せない、ただものすごい興奮してたのは覚えている。  早速ブラウンおじさんにその船が欲しいって言ったんだ、さすがにブラウンおじさんは簡単に首を縦に振らなかった、説得するにはかなり時間がかかったよ、あの時は普段あまり喋らない俺が何時間も話し続けられたのは不思議だった。  まぁ貯金の殆どを使ってその船を買うことができた、色々な制約つきだったけど。その後いろんな店で食料と水を買いあさった、といっても船を買う時に殆どの金を使ったから一週間分位しかなかったけど。
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