「睡魔」

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 俺の仕事はトラック運転手。建設現場の土砂を運搬している。 あまりの賃金の安さと長時間労働に、転職する仲間も居たが俺には運転しか能がなかった。 (縁起悪い夢を見たなぁ。) 俺は愛車を点検した。まだまだローンの残る愛車には頑張ってもらわなければならない。 俺は母親が作ってくれた弁当を持ち、現場に向かった。 街はまだ真っ暗。経費を少しでも減らす為、現場までの約100キロを高速道路を利用せずに向かう。 (俺も転職を考えた方がいいのかなぁ?) 俺はハンドルを握りながら思った。 でも、他人と接するのが嫌いな俺はこの仕事が好きだった。 (最後の一人になったりして。) それもいいな、と思った。 やがて、夜が明けてきた。春の日差しはどこか優しく、そして暖かかった。 「ふぁぁぁっ。」 俺は大きなあくびをした。春の日差しは眠気を誘う。 (気を付けないと。) 俺は干し梅を一つ口に放り込んだ。
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