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閉店作業を終えた店内……
女の子達やボーイ達も帰り、コウとコバとナオの3人だけとなった。
「おれのピザポテトと午後ティー勝手に食うたやろ!
ほんましばくぞ!」
コウがコバを睨みつけながら言った。
「おいコラ!あの午後ティーおまえのんやったんかい!
女みたいなもん飲むなや!まじややこしねん!
逆にしばいたろかカス!」
コバがコウを睨み返しながら吠えた。
ここまで理不尽極まりない逆ギレは、前例が無いと思われる。
その時、店の扉が開き、1人のスーツ姿の男がヘラヘラ笑いながら入ってきた。
彼の名前はタツヤ。
当時18歳で、コウと同じく安キャバの店長をしている。
「膣っ!」
タツヤは、満面の笑みを浮かべながらコウ達に言い放った。
「膣っ!」
コウ達も、笑顔でタツヤに言い返した。
「膣っ!」というのは、彼らが頻繁に使う特殊な挨拶である。
「おつかれ」を略した「おつ!」が派生して「膣っ!」に進化した物だと思われる。
「今日は、ほんま暇やったわ~。」
タツヤは気だるそうな顔をしながら、サーバーから生ビールを注いだ。
「勝手に人の店のビール飲むなやハゲ!」
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