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別に悲しくも何ともなかった
生きていれば会えるんだし
何より気になるのが
結衣と話さなくなったこと
まぁ
僕にとっては
逆に良かったのかもしれない
他の生徒から妬まれることもないし
女子に興味あるわけじゃないし
そう僕は思いながら家へと歩いていた時
「ケンくーーーん!!」
と大声をあけながら全力で走ってくる結衣の姿があった
「賢…くん…ハァ…ハァ…ハァ…」
かなり息切れをしていたので声をかけた
『堀坂さん、大丈夫…?』
「平気…だよ…これくらい…。バスケ部をなめないでよ…。」
思わず僕は笑ってしまった
「なによ~バカにした笑い方は~。」
『バカにはしてないよ。ちょっとね。』
安心した
三週間ぶりに結衣と話すことができた
よく分からないけど嬉しかった
なおさら
言うべきことが
僕にはあった
『堀坂さん…あの…』
「いいよ、気にしなくて。」
えっ
まだ何もいっていないのに
「賢くんが言おうとしていること、分かるよ…。この間の話でしょ。」
まるで始めから分かっていた様子で答えた
「その…ごめんね…。どうしても…一緒にいたくて…。」
僕が謝る前に謝られた
最後がよく聞こえなかったけど
『いや…その…僕もごめん。突き飛ばしてしまって…。』
僕は頭を下げて謝った
「全然、平気だよ。
それでね…一つ、お願いしたいの…。」
真面目な顔で結衣は僕を見ているので僕も結衣を見た
『なに?』
「あの…私のことは…堀坂さんじゃなく…結衣って呼んでくれる?」
それってつまり
友達になってくれませんか?
ということか?
まぁ
女子でも友達が増えることには越したことないし…
僕はなんなく受け入れた。
『いいよ。じゃあ…結衣さん。』
とりあえず言ってみた
「だめ!呼び捨て!」
えええっ
さすがに…
僕は構わないけど
周りの男子が…
と言っても
真剣に、こっちをみている結衣だし…
心の中では呼び捨てだけど
言葉に出すのは…
僕は小さい声で結衣の名前を言った。
『……結衣……』
「声、小さいよ~。まぁいいか…。ありがと、賢くん。」
そっちは呼び捨てじゃないのかよ
「じゃあ、またね!賢くん。」
結衣は手を振りながら、走っていった
なんだかなぁ
これから、また忙しくなりそうだなぁ…
下を向きながら僕は自宅へと歩き始めた
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