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少し先にある商店街にクレープ屋さんがある
そこのクレープは女子高生に絶大な人気があり、大抵は並んでいる
今日は幸いにも2、3人程度しか並んでいなかった為、あっさり買えた。僕たちは立ちながら食べた
「ありがと、ケン!」
なんで僕が払わなくちゃいけないんだ…
妹の秋美が申し訳なさそうに言ってきた
「ごめんなさい…。私まで…」
『いや、いいんだよ。問題は…』
僕は目を細めて春美も見た
春美はクレープをムシャムシャ食べていた
僕と藤山姉妹は小さい公園のベンチに座っていた
「今日はごめんな。どうしてもクレープが食べたくてさ。」
なら自分の金で買え
春美の隣にいた秋美
は丁寧にお礼を言ってくれた
「今日は、ありがとうございました。今度、私にも何かおごらせてください」
春美は余計な事を言った
「いいんだよ、そんな事、しなくて。」
あなたが言える立場ですか
秋美は姉を叱るように言った
「お姉ちゃん、ちょっといい加減すぎるよ。」
春美は少しガックリした様子だった
僕はそろそろ帰るためにベンチから立ち上がった
『じゃあ、また明日ね』
春美は
「明日もおごってね―!」
と不可解なことを言って
秋美は明るい声で
「また明日、会いましょうね―!」
と言ってくれた
やっぱり秋美は優しいなぁ…
なんであんなに姉と違うんだろ…
と思いながら
誰もいない道を転々と歩いていた
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