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『美雪!話聞いたよ!ごめんね?』
土曜日の午後、部屋でゴロゴロしていると亜由美から電話がかかってきた。
「いいよ…あゆちゃんが悪いわけじゃないし」
『あの西澤って最低!うちの大事な子に~!ほらっ、出なさいよ』
亜由美の隣に誰かいるらしく、電話口でもめている声が聞こえた。
『美雪ちゃん、亜由美の彼氏だけど。マジでごめんな?西澤は俺らでボコッとくから、気にしないでね』
それだけ言うと、また亜由美に代わった。
『そういう事だから、あんな奴のことは忘れて、次の恋しよう~』
「あゆちゃん、ありがとう。でも、当分合コンはパスかな」
『…そうだよねぇ…』
亜由美の声が小さくなり、美雪は慌てて言葉を付け足した。
「私ね、他に好きな人ができて…あゆちゃんの知らない人なんだけど…」
『マジで!?いつのまに?そういう事なら、早く言ってよ~!今度、詳しく教えてね』
「うん。わかった」
亜由美と電話を切り、美雪はゴロンとベッドに転がった。
私も昨日、気づいてしまったんだもん…
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