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「………」
合コンが終わり、亜由美と亜由美の友達に強く薦められ、西澤に送ってもらう事になった。
駅まで、西澤と二人で歩くが会話が出てこない。
早く帰りた~いι
「あの…美雪ちゃんさ、彼氏いるの?」
西澤がもじもじしながら聞いてきた。
「いないよ~」
私の彼氏は、王子かカヲルくんって決まってんの!
「じゃ…さ、…俺と付き合わない?」
ちょっ…マジで?
この人、図々しくない?
「…でも…さっき会ったばかりだし…。いきなりは…」
断れない美雪は、言葉を必死で選んだ。
「ほんと、美雪ちゃんって純粋なんだな。…ほんとに処女なの?」
グイッと手首を掴まれた。
「…ちょっ…痛い…」
ギリギリ手首を掴まれ、痛みがある。
そういえば…
藤村にも手首を掴まれたけど、力を加減してくれていたんだ…
「…離して…!」
「いいじゃん!付き合ってあげるって言ってんだし、処女ももらってやるよ!」
美雪は必死で抵抗するが、西澤に手をグイグイ引っ張られる。
引っ張られる先に、キラキラ光る建物が見え、そこがどういう所か美雪でもわかった。
「…や…だ!離してよ!」
美雪は一瞬体を前に出すと、引っ張っていた男の体が思いっきり前に出て転んだ。
「…いっ…て……」
その拍子に、美雪は鞄を掴むとその場から走って逃げた。
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