ヲタ的☆傷心

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灯りがだんだん消えていく商店街。 ここにも、今、店の灯りが消えそうになっていた。 男が、店の前に来てシャッターを下ろす。 最後のシャッターに手をかけた時、何か気配を感じ振り返る。 「うわっ!?」 美雪が貞子みたいに、ぼーっと突っ立っていた。 前に一度訪れた藤村の本屋だった。 「……何してんの?」 驚いたまま、藤村は美雪に聞いてきた。 「……全部、先生の所為だなって思って……」 「何が…?」 とぼけて、白を切る藤村に美雪は苛立ちを感じた。 「…私は…普通の高校生になりたいだけなのに…全部先生がめちゃくちゃにしてるじゃない!」 「めちゃくちゃにした覚えはない。…合コン行ったんだろ?彼氏ができていいじゃねぇか」 「……」 西澤に掴まれた手首を、もう一つの手で隠した。 その様子を藤村は見逃さなかった。 美雪の服を掴み、本屋の中に入れ、シャッターを一気に下ろした。 シャッターを背中に、藤村が体を挟み込んできた。 「…お前…そんな事言う為にここまで来たのか…?」 藤村の視線から逃れられず、美雪は何も言えなくなる。 「由樹(ユキ)?どうした?」 奥から、一人老人が出てきた。 第三者がいるとは思わなくて、びっくりしていると、藤村が体で美雪を隠した。 「爺ちゃん、何でもないから先に寝てて」 藤村がそう言うと、その老人はそうかと言って、また奥の部屋に消えていった。 .
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