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賑やかな町並みの中にひっそりと佇む甘味処
《甘味処 蜜屋》はいつもより大変、賑わっていた
その原因は二人の少女である
「ん~っ……うまいでござるぅ💕💕💕💕」
「そうだな。流石は蜜屋。いくらでもいける」
先日、中国入りした真田幸村と中国を治める毛利元就の二人である
二人は城を出て甘味処ツアーを敢行していた
お忍びのツアーのため、二人ともいつもの服装とは違い、娘のようなかわいらしい着物姿である
政宗と元親が見れば悶絶することは間違いなかった
「この餡の甘さが絶妙だな。まろやかでありながら、決してしつこくはない」
「こちらの団子も中々の物でござる。もちもちとした食感の中にしっかりとした歯応えがありまする」
「こちらの大福もうまいぞ。食べるか?」
「はいっ!!元就殿も団子をどうぞ!!!!」
「頂こう」
時たま甘味の評価を交えながら二人は次々と平らげていった
その数はあまりにも多く、成人男性が食べる量を遥かに越えていた
それらが全てが二人の少女の胃袋に収まっていく様はとても異様な光景だった
「では、そろそろ行くか、真田」
「そうでござるな」
二人は立ち上がった
「いくらだ?」
「おいくらでごさるか?」
二人が食べた通常の人の遥か倍の金額だった
が、二人にとっては普通のことだった
「おいしかったでござるな、元就殿♪」
「そうだな、真田」
始めに行った蜜屋を含め、すでに元就と幸村は五軒の甘味処を制覇していた
「やはり、甘味処に共に行くならば、元就殿に限りまする!!!!」
「そうだな。甘味処を満喫するのならば真田ではなければ。元親など、共にできぬ」
元就は先日は会った恋人を思い出していた
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