ほこりの私

愛してるのよ

愛してるって言葉は
使われすぎじゃあないだろうか。

キスをして｢愛してる｣
抱きしめて｢愛してる｣
物をもらい｢愛してる｣
物をあげて｢愛してる｣
夜寝る前に｢愛してる｣

愛してる、は短すぎて
そこに愛があるのかわからない。
愛してる、を言うことが
パブロフの犬のように
条件反射になっているのではないか？

愛してる、より

｢私、貴方の影に嫉妬しちゃうの。
ずっと側にいれるもの｣

｢貴方のホクロの数なんて
とっくの昔に知り尽くしてるわ｣

｢貴方の携帯になりたい
ずっと見つめてもらえるもの｣

みたいな言葉のほうが
愛が伝わらないのかな。
私は恥ずかしいから、
使ったりはしないけれど。

ああそうか。
みんな恥ずかしがり屋ばかりなのか。
だから愛を伝える言葉を、
短く作ってみたり
感謝を伝える言葉を作ってみたのか。

そういえば、
大切な言葉は５文字ばかりで
短く伝えないと恥ずかしいのだ。