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恭一は続けた。 「それこそ仮にですね、足立が原の鬼婆みたいな残酷な殺人鬼がこの世間にいたとしてですよ、セーラー服の幽霊が殺人のあった現場で度々目撃されるというのもまた妙な案配でしょう?」 世話しなく懐に手を入れて話す恭一を宥めるように、来栖はゆっくりと頷いた。 「そのセーラー服の幽霊があなたの村にも現れたというのですね? 両者に何らかの因果関係があると考えた訳ですか…」 「はい、何だか妙な胸騒ぎがするんです…。警備員の癖に我ながら情けない話ではあるんですが…」 「いや、恭一さん。あなたがここに来たのは、奇妙な偶然ではないような気がしてきましたよ」 おかしな事を言う探偵である。 「来栖さん、一体それはどういう意味です?」 戸惑っている恭一を制して来栖は言った。 「いずれ解りますよ。恭一さん、見たところあなたはそのセーラー服の幽霊というヤツに何か心当たりがあるご様子だ。そして、その何かとは神隠しと関連のある出来事なんですね?」 この男…。やはり鋭い。 「どうです? ここは一つ腹を割って俺と先生にあなたの身の回りに起こった過去の出来事を話しちゃくれませんか? モヤモヤした気分も話してみれば、少しは晴れるかもしれませんよ」 恭一は結局、探偵の甘言に乗ることにした。
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