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「じゃあ、いってきます」
部屋を出て数十分後、俺は姉さ
んの見送りを受けていた。
もちろんちゃんと服を着た格好で。
「今日の夕飯のリクエストとかある?」
「お肉がいいわ!」
「また? 姉さんのリクエストって肉ばかりじゃない」
「いいのよ、好きだから」
え~、と渋面を作る俺に姉さんはなぜか偉そうに胸を張る。
まあ姉さんの肉好きは今に始まったことじゃないけど……。
と、こんなとこで時間食ってる場合じゃないや。
「わかった、何か考えとく」
「きゃあ! 幸也のそういうとこ好きよ!」
「はいはい。じゃあ、今度こそいってきます」
そう言って手を玄関のドアを開けたところで、
「幸也」
再び姉さんに呼び止められた。
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