その日は?

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「もう、姉さん。俺そろそろ時間な――」 なくなると言おうとして振り向き、固まる。 姉さんがいたからだ。 いや、いるのは当たり前なのだがそのポーズが手を付しろに回し、目をつぶり、唇を突き出しているとなれば話は別だ。 「……姉さん、それはなんのつもり?」 いや、わかっているけどもね? ほら、なにか違う可能性も 「いってきますのちゅう待ち」 なかった。100%俺の予想通りだった。 「さあ、いつものようにちゅっと」 「いってきますのキスなんかしたことねぇよ!!」 その言葉と共に俺のチョップが姉さんの脳天に炸裂する。 「いったぁ!!」 そう言って頭を抑える姉さん。 ったく、少しは世間体を考えてください。ご近所の奥様方の噂になっちゃうでしょうが!! 奥様パワーを舐めたらいけません!!
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