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「ああ、アキ。おはよう」
俺はそう挨拶を返し、駆け寄ってくる彰人を待つ。
こいつは俺の周りでもかなり常識的な部類に入る貴重な存在だ。
正直朝っぱらから姉さんの相手をしたのでこいつの登場はありがたい。
「今日も寒いね~」
「ああ。雪でも降るんじゃないか?」
彰人が横に並んだのを確認し歩き出そうとして、違和感に気づく。
「あれ? 伊波さんは? いつも一緒に登校してるだろ?」
そう、こいつには伊波 もみじ(イナミ モミジ)という幼馴染がいるのだ。
髪は肩にかかるか、かからないくらいのセミロングの茶髪で、目が大きく可愛らしい顔立ちをしている。そして彰人と同じく身長は小さく童顔だ。ある意味これ以上ないくらいお似合いだったりする。
「あ~…もみじは今日は一緒に行くわけにはいかないんだって」
「一緒に行くわけにはいかない? なんだそりゃ?」
喧嘩か?え~?あの仲のいい二人が?
……ないよなぁ。正直付き合ってるだろ、って思うくらいの仲だし。
彰人が少々とろい伊波さんを上手くリード、フォローしてるから性格的にも相性ぴったりのはずだし。
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