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「まず第1」
俺はぴっと指を一本立てる。
「俺もお前も結構な数を貰う。しかもそれに全てお返しをしている」
「あ、うん。やっぱり貰った以上はホワイトデーにお返しはしてるよ」
コクコクと頷く彰人。この普通の行動でさえ少し子供っぽく見えるのは彰人マジックだろうか?
「それならわかるだろ?」
「なるほど……確かに結構な額が僕の財布から飛んでいくねぇ。ユキはバイトしてないから余計に辛いんじゃない?」
「正直小遣い制の我が家としては大変な痛手です」
俺の言わんとした事を察し、さらに質問を返す彰人にため息をつきながら答えを返す。
高校に入ってからバイトを始めている彰人は今年は余裕があるのだろうが、バイトなどしていない俺にとっては今年も去年と同じような痛手になる。
「ユキは家事に同好会で手一杯だからバイトなんてやってる暇ないもんね」
「まあな。週1、2回程度なら何とかなると思うが……家事だけは俺がやらなきゃいけないからな!」
俺は固い決意を示すようにぐっと握りこぶしを作る。
そんな俺の行動を見て彰人が
「あ、もしかして」と思いついたように呟く。
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