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ピピピピッ、ピピピピッ。
聞きなれた電子音で目を覚ます。
俺は煩わしい電子音を右手で止め、ベッドの上に半身を起こした。
そのままぐるりと視線を巡らせる。
机に鞄、本棚には教科書から漫画から小説。
クローゼットには制服から私服まで。
そして机とクローゼットから少々離れて電気ストーブ。
……ここは俺の部屋だ。
寝起きが悪い俺はいつもこんな風に起きぬけは頭が回らない。
「さむっ……」
目覚ましを止めてから約十分後に俺はそうつぶやく。
今や暦は二月をさしており、最早子供は風の子などと言われなくなった現代っ子、高校一年生にはつらい。
まあ子供に限らず冬の朝が寒くない! なんて人いないと思うけどな。
そんなどうでもいいことを寝ぼけたままの頭で考えながら、カーテンを開ける。
まだ太陽が昇っておらず薄暗い空でも、今日は晴れると確認できる。
「ん~……! よし、今日も行きますか!」
そんな冬の晴れた空を歓迎しながら、体のスイッチを切り替えるために一人気合を入れる。
手早く学校の制服に着替え、自身の部屋の扉を開け放つ。
そしてそのままリビングに……と行きたいところだったが、今の俺には朝一番の仕事がある。
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