その日は?

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「姉さん、起きて。朝だよ」 ベッドの脇に腰掛け、姉さんの頬をぺちぺちとたたく。 それが効いたのか、姉さんがう~ん、とうなりながら薄目をあける。 「おはよう、姉さん。起きて」 「……イケメン執事風に起こしたら、起きる」 起き抜けの脳みそなのに、なんで初動からアクセル全開なんだ? つーか、なんだよイケメン執事って……あ、もしかしてあれか? こほん、とひとつ咳払い。 そして頭に浮かんだセリフを出来るだけ忠実に再現する。 「お嬢様、朝でございます。起きてくださいませ」 姉さんの髪を優しく撫でながら、囁く。 ……うん、俺気持ち悪い。 が、もう少し! 「やれやれ、困ったお嬢様ですね。このまま起きないおつもりならば……」 そう言って、毛布を口元まで引き上げ、目を見開いている姉さんの耳元に唇を寄せる。 「いたずらしてしまいますびょっ……!!?」 いきなり左のこめかみに衝撃。俺はその衝撃に耐え切れずに姉さんのベッドから転げ落ちた上に一回転。 もう痛すぎてまともに反論する気も起きない俺は、ぼんやりと天井のライトを見ながら攻撃した本人に語りかける。
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