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「姉さん」
「……何よ」
不機嫌そうに返す姉さん。
そんな姉さんに必殺の一撃を放つ!
「今日の朝食は目玉焼きではなく、ふわふわのオムレツにします」
「……っ!」
ふっ、さすが我が姉。反応がわかりやすすぎる。
ならばこれでとどめといこう。
「しかもチーズ入りです」
「幸也! すぐに準備に取り掛かりなさい!!」
その言葉のすぐ後に俺の視界を何かが塞ぐ。
あれ? うまく姉さんの気は引けたはずだが……なんだこりゃ?
黄色地にポップな黒い猫の柄の……パジャマ?
「あれ? これ確か姉さ――っ!!」
視界を巡らすんじゃなかった。姉さんのパジャマと気づいた時点で部屋を出るべきだったんだ。
ああ、そうだよな。姉さんが着ていたパジャマが俺の手にあるんだ。当然今の姉さんは……。
「なんで脱いでんのさ!!」
俺はあさっての方向を向きながら精一杯のツッコミを入れた。
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