07─Seventh─

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この状況はなんだろう。 「すいませんでした」 「うふふー。一体、何に対して謝っているのか簡潔に説明してもらいたいなぁ?」 「………」 無理です。 というか、なぜ香奈はこんなに怒ってるんだ? 「紘ってば何で僕が怒ってるか全くわからないって顔してるぅ!!」 おぉ。よくわかったな。 もしかしたらエスパーかも……。 「そこ!変なこと考えない!!」 「すいません!」 てか、本当に心読めたりしないよな? 「紘。香奈はどこに行くかも言わずに勝手にいなくなったことに怒ってるんだよ」 「……いなくなったって」 大げさだと思ったが、真剣に心配していたらしく目には涙をためていた。 「あ……ごめん」 「親衛隊とかだっているんだよ?危ないんだよ?僕たち本当に心配で……」 「ありがとう」 いよいよ泣き出しそうになった香奈の頭をなでる。 「紘。香奈が言うことはもっともだ。どこで何があるかわからないし、親衛隊は場所とか手段を選ばない。なるべく1人にはならないほうがいいんだ」 「雅人…」 「次からは気を付けてくれればいいから…。香奈、それでいいよな?」 「…………うん」 「2人とも、本当にごめん」 本当に申し訳なくて頭を下げると、雅人に優しく頭をなでられた。 「じゃ、食堂でも行くか?」 「え、もうそんな時間なんだ…」 「そうだよぉ。お腹すいてないの?」 「あー……。言われたらすいてきたかも」 ははっ、と笑うと2人とも顔を背けた。 なんかけっこうショックだ。 「んじゃ、食堂行くか」 「うん」 食堂に行くために教室から出るときに黒板にちらっと見えた『体育祭の出場種目決め』ってのは何だったんだ? もしかして俺がサボった時に決められたとかないよな? .
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