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「ハァ……」
俺は約束どおり今、2人に案内されている。
まずは昼飯を食いに食堂に行っているが、説明もしてくれている。
話を聞くたびに俺の口からはため息がこぼれる。
いや、だって金かけすぎだろ!
昨日もらったカードみたいなやつはなんだろう?って思ってたけど……カードキーらしい。
しかも、財布代わりにもなるらしく、どこへ行くにも必要なものみたい。
無駄だと思わない?
他にも無駄だと思うことはたくさんあるんだけど……まぁ、ここで生活するうちに慣れるかな。
慣れたくないけど…。
「ここが食堂だよっ!お昼は何にしようかなぁ」
「あー…、紘。耳ふさいだほうがいいぞ」
「え?」
言われたとおりに耳をふさいで食堂に入る。
何でふさぐ必要があるんだ?
「キャアーー!!」
「お2人が来たよ!」
「香奈ちゃん可愛いなぁ」
「雅人くん抱いてぇ!!」
中に入ると、男から出ているとは思えないような甲高い声と、これぞ男!と言うような低い声が鳴り響いた。
うゎ……うぜぇ。
頭痛くなってくるよ。
しかも、同時に聞こえてくるのは
「何あのオタク!」
とか
「自分の容姿わかってるの!?」
だとか
「香奈ちゃんと雅人くんが汚れるぅ!!!」
などといった俺への言葉もあるからよけいに頭が痛い。
「僕の友達の悪口言わないでよぉ!」
「…ったく。いつ聞いても胸クソ悪い」
「俺は気にしないので2人も気にしないでください」
「敬語禁止だってばぁ!!」
「今はたくさん生徒がいますから」
まだぶつぶつ言っている香奈をなんとかなだめて席に着く。
実際、白虎のやつらが下のやつだとしてもいる可能性があるからな。
「じゃあ注文しようぜ」
なんとここの食堂にはタッチパネルで、これで簡単に注文できるらしい。
「紘は何にするのぉ?」
「そうですね…。2人は決めましたか?」
「俺は日替わりランチ」
「僕はふわふわオムライス!」
「そうですか。僕は…」
メニューを見ながら考えるけど、種類がかなりある。
「俺は……その、チョ……チョコレートケーキ」
俺がそう言うと2人は俺を見ていた。
「俺ね…甘いものが……好きなんだ」
少し恥ずかしかったから顔が赤くなり、うつむいていたので下から見上げる。
「「…っ!(これはわざと!?)」」
2人の顔が赤くなった理由がわからなくて俺は首を傾げた。
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