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─────Side紘───────
「…ハァッ………ハァ……」
乱れた呼吸を整えながらさっきのことを思い出す。
「あ~…、何やってるんだろ」
いきなりあんなことされて確かにムカついたけど……もともと嫌いだったわけではない。
あいつは俺だって気づいてないんだろうけど、俺にとってはいいライバルのような存在だった。
たぶん、俺のこともそんな感じに思ってたんだろう。
でも、いくら気づいてなかったって言っても……。
あんな八つ当たりしたら顔をあわせたくなくなってきた。
近くにあったベンチに横になり、メガネを外した。
伊達メガネだって言っても普段かけないから全然慣れないのだ。
自分の腑甲斐なさにため息をつきながら目頭が熱くなってきたのを感じて目を閉じる。
やっぱ、俺はチームのみんなに今まで支えてもらってたんだな。
チームを抜けることによって改めて感じることができた。
あいつら、怒ってるよな。
無断で抜けた挙げ句、行方をくらましたんだから、当然のことだろう。
うとうとしてきた頭でそんなことを考える。
やべ……。
寝るかもしれないな…。
ここ…気持ち…い───…
俺の意識は闇へと沈んだ。
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