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「ほらぁ!僕の言ったとぉりでしょ?でしょ?」
「あぁ。そうみたいだな」
「え?あの…」
一体何の話をしてんだ?
「あ、僕は山崎香奈(ヤマザキカナ)!」
小さいやつ……山崎はふわりと笑っていった。
「俺は山本雅人(ヤマモトマサト)」
大きいやつ……山本は軽く手を挙げて挨拶をした。
「俺は透桜紘。よろしくな」
「す、透桜ってあの有名な透桜会社の!?」
「んぁ?透桜会社……?何それ」
軽く首を傾げると山崎は納得したようにうなずいた。
「そうだよねぇ。あの世界でも3本の指に入るくらい有名な人がここに来るはずないよね」
何だか知らねぇが、勘違いされてたみたいだな。
世界でも3本の指って……そんなわけないし。(紘は知らないだけで実際は香奈の言うとおり)
「でもでも!びっくりしちゃったんだよ!」
「いつから来たんだ?」
「あ、昨日」
「それなら挨拶くらいしてくれればいいのにぃ!」
「こら。……あ、俺たち隣の部屋なんだ。普通は名簿順で2人部屋なんだぜ?」
ぷうっと頬を膨らませた山崎を軽く叩きながらニコッと山本は輝く笑顔を見せた。
なるほど。
だから、どっちも名字が“や”から始まってんだな。
「何か困ったことあったら言えよ?」
「サンキュ」
「遠慮しないでねっ!転校生ってことは僕のほうが先輩だし!」
なぜか胸を誇らしげに張って言った。
「ってことは、3年の先輩ですか?」
あ、ちなみに俺は2年だ。
「あー…違う違う。香奈のせいで変な勘違いしただろ?」
「だってぇ、僕のほうがここに通ってる期間長いしぃ!」
「ガキ」
「むぅ!そんなこと言ってるとキライになっちゃうんだよ!?」
「はいはい」
「ぷっ……くくっ…!」
「「?」」
いきなり笑いだした俺を2人は不思議そうに見る。
「あ、ごめん…。いや、2人って仲が良いんだなぁって思って」
笑いながら伏せてた顔を上げる。
「「…っ!(紘ってキレイな顔してる)」」
「山崎も山本もおもしろいな!」
本当は人とは関わらないようにしたかったけど、こいつらならいい…かな?
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