4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと手足触るよ」
一声かけた後。
私の両の手足に器具が取り付けられた。
「……っ」
冷たく硬い金属の感触が肌に伝わる。
「服、上げるよ」
彼は、私の既にはだけた上着をさらに広げ、インナーのキャミソールをたくしあげた。
あらかじめホックを外していた下着ごと。
彼の指先が肌に触れ、身体のラインをなぞるように、動く。
「………」
私はただ静かに、それに任せていた。
「いくつか器具を胸元に付けるから。少し冷たいのが触るよ」
「っ………」
言葉と共に、胸に冷たい感触が触る。
私はその違和感に、思わず目を細めた。
「大丈夫?」
その柔らかな笑顔を少し心配そうに曇らせて、彼は私の顔を覗き込んだ。
「…は…い」
私は落ち着くよう、意識して呼吸を深くしながら、静かに頷いた。
この時、私には従う以外は出来なかったのだ。
そういう、状況だった。
私が頷いたのを見て、男の心配の色が和らぐ。
「もう少し同じのを付けていくから」
言葉通り、胸から脇にかけて、複数取り付けられていく器具。
1つ1つ増えていく感触をこらえるため、私は目を瞑って。
ただ、呼吸を乱さない事だけを意識していた。
最初のコメントを投稿しよう!