-2007年 秋-

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 この時、私は健康診断の真っ最中だった。  会社で年に1度行われるモノ。  とは言え、病院に行くワケではなく、会社に医師を呼んでのそれは、高校時代のモノと大差なく、それ程大袈裟なモノではないが。  彼は取り付けたのとは逆の手順で手早く器具を外して行く。  「もう、服も戻して良いですよ」  一応、器具を外す時にある程度は戻してくれたが。  あられも無い姿には変わりなかった私に声がかかる。  私は上体を起こし、ベッドの上で衣服を整える。  そんな私に背にし、医者は機械に向かっていた。  が、おもむろに言った。  「普段、胸が痛む事とか…あります?」  ……はい?  「あ…えぇ。時折そんな感じも無くは…」  思っても見なかった方向からの言葉に、私はやや間の抜けた返答をした。  「…そうですか」  ん?えー…何でしょう?  「あ、次の問診は隣ですから。衣服をゆっくり直してからで良いので移動して下さいね。お疲れ様でした」  そう言うと、医師はカーテンの外に出て行った。  いや、何?  なんか最後の言葉がひどく気になるんですけど…?  
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