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「もしかしてお弁当??」
「う、うん。お母さんが健司の分もって……」
私は健司の分のお弁当を渡した
「いつも売店のパンだからな~」
健司は困ったように、お弁当を受け取った。
「いらないならいいよ!!」
お弁当を取ろうとすると、健司はひょいとかわした。
「まてまて、誰もいらないとは言ってないだろ。」
…言ってるようなもんじゃん。
「おばさんの手料理好きだし、ちゃんと食べるよ。
ただ……」
健司は適当な場所に腰を降ろすと、手招きしてきた。
嫌な予感………
「夏子も一緒に食べよ。」
「はぁ?なんで私が!!!?」
「だってお弁当の中身一緒だろ??同じクラスだとバレちゃうじゃん。」
そ、それもそうだけど…
「じゃ、じゃあ今日だけだからね!!明日からはお母さんに中身変えてもらうから。」
「ヤダ。」
はいぃ!!?
「夏子と一緒のお弁当がいい♪」
な、なんて我が儘な奴;
ちょっとはこっちの都合も考えてよ!!
「ほらほら、早くしないと昼休み終わっちゃうよ??」
隣をポンポン叩いて、ここに座れと促してくる…
仕方ない
私はハァ…と大きなため息をついて、健司の隣に腰をおろした
「あ、友達が待ってるんだった」
「メールしとけばいいじゃん。」
ちっ
他に言い訳も思いつかず、私はお弁当を広げた。
「おぉーうまそう♪」
健司もお弁当を広げて、若干テンションが上がっている。
「いただきまーす!!」
両手をパチンと合わせて、健司は食べ始めた。
「誰もいないのに、ちゃんと手を合わせて律儀だね~。」
少し皮肉を入れて言った。
「え?夏子がいるじゃん。」
それにも関わらず、健司は当たり前のように言った。
な、なんで胸が高鳴るんだ;;
「それに、子どもの前ではちゃんと礼儀正しいところを見せておかないとね。」
そう言って、私の頭をポンポン叩いた。
「……………。」
子どもって、私のこと…?
「やっぱムカツク!!」
私が立ち上がろうとすると、健司は私の手を掴んだ。
「まぁまぁ、ほら
夏子の大好きなミニトマトあげるから機嫌直してよ??」
「…………。」
少し健司を睨んでから、私は腰をおろした。
「ほら夏子、あーん………」
「ちょっ!!!自分で食べれるから!!!!」
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