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「ただいまぁ」
家に帰ると、お母さんが声を震わせながら電話をしていた。
どうしたんだろう…?
「あ、夏子おかえり。大変なのよ!!!」
私の姿を見つけるなり、お母さんは青い顔をしながら私に駆け寄った。
お母さんの慌てぶりに、思わず私も息を飲んだ。
「実は竹下さんとこのご主人が倒れたのよ。」
竹下さん………?
竹下さんって
「健司のお父さん??」
「それで緊急入院することになったみたいで、竹下さんも付き添いでしばらく家を空けることになったそうなの。
だから……」
お母さんは目力を込めて私を見た。
嫌な予感……
「その間、けんちゃんをウチで預かることになったの!!」
「はぁ!!!?」
「困ったときはお互い様!!
夏子もけんちゃんなら別に構わないでしょ??」
いやいや
何?健司ならって……
高校生になってから、まともに口きいてないんだよ??
今更どう関わったらいいか…
ピンポーン…
慌てて振り返ると、ドアの向こうに健司がいた。
「っ!!!」
健司は昔と変わらない無邪気な笑顔で立っていた。
「おばさん、しばらくお世話になります!!!」
私の存在を無視して、健司はズカズカと家の中にあがっていった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!;」
慌てて私も後を追い掛ける。
マヂでありえないって!!!;
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