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「けんちゃん大変だったわね。竹下さんとは長い付き合いだもの、ここを自分の家だと思ってくつろいでちょうだい。」
「ありがとうこざいます!!」
「ちょっ、2人とも…」
お願いだから私を無視して話進めないで;
「困ったことがあったら気兼ねなく聞いてね。夏子もそういう訳だから頼んだわよ?」
「えっ!!?」
そんないきなり…
「ワリィな夏子、しばらく厄介になるわ。」
ちょっ………
『夏子』なんて
どれだけ久しぶりに呼ばれただろう……
「わ、分かったわよ!!」
仕方なく、私は健司の居候を許した。
まぁ、どうせすぐ出て行くだろうしね。
とりあえず自分の部屋に行き、私服に着替えた。
「…………。」
やっぱりジャージはまずいかな
いくら幼なじみとはいえ、年頃の男の子がいるんだ。
私はいつもより可愛い私服に着替え直した。
「ふぅ……」
さっきは居候を許したものの
これからどうなるんだろ
「夏子ー、入るぞぉ。」
健司の声と同時にドアが開いた
「な、なにっ!!?
てかいきなり入らないでよ!!」
思わず手元にあったクッションを投げ付けた。
「いてっ!!;
ワリィってば!!」
さっそくこれ……
先が思いやれる;
「アドレス交換しようぜ。しばらく世話になるし、何かあったらすぐ連絡取れる方がいいだろ??」
「え……」
そっか
私、健司のアドレスさえ知らなかったんだ。
幼なじみで
いつも一緒にいたのに…
昔は、健司のことならなんでも分かってた。
でも
今は分からないことだらけだ。
ずっと近くにいた存在だったのに、急に遠い存在のように感じた。
「夏子??」
「なっ、なんでもない!!
はい、私のアドレス!!!」
アドレスを交換すると、健司は私の部屋を見回した。
「夏子の部屋、あんま変わってねーな。」
「そう?」
健司が最後に私の部屋に遊びに来たのは
確か、小学生の頃…
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