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俺は自転車で川添を走る。
俺は中学校にむかって走る。
「それにしても、バスケ部ないなんてな。先生に聞きに行こ。」
ガラガラ…学校の門を開ける。自転車は途中に隠してきた。
「失礼します。担任の沢田先生いますか。」
奥から気の抜けた声で髪がくしゃくしゃの先生が奥から歩いてきた。
手にはコーヒー。
「おっ、どうした?河上?忘れ物か?」
「いや、聞きたい事がありまして。」
先生が職員室から出て来る。
「バスケ部は何故無いんですか?」
「あ~それか。向こうに香苗中て言う中学校があるんだ。あそこが強くてな。全国ベスト4だからバスケやってる奴らは皆そっちに行っちまうんだよ。だから作っても無駄だから無いんだ。」
「じゃあ、俺がバスケ部つくりますよ。いいですか?」
「やめとけ、やめとけ。無駄だから。五人も集まらんぞ。香苗中に行くか?」
「じゃあ、五人集めたらいいですか。」
「そこまでここに固執するなよ。」
今目標ができた。
「香苗中倒したいっす」
「まあやるだけやってみろや」
沢田はニコッと微笑んだ。
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