エコと信長の転校ゲーム

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 エコと同じ高校に進学するフリをして、受験してやった。エコはまだこのことに気付いていないはず。今頃一緒に受験した高校で戦慄していることだろう。  安曇野高校には、エコが決して入学も転校もしてこられない条件がある。越えられない壁だ。俺がエコの立場だったら、百回挑戦しても越えられそうにない鉄壁だ。  誕生してからの一五年間をやりなおしても、攻略は出来ないかもしれない。  これからの三年間、俺は少なくとも学校の中でエコと遭遇しなくても済む! 「よ……よっしゃああぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」  この勝利の咆哮を契機に、俺はより自由な高校生活を―― 「信長、校門で叫ぶだなんてはしたないな」  送れる――…… 「さっさと行こうか、信長? 一緒なクラスじゃなくて残念だよ」  はず……  見紛うはずもない。 「お、お前。なんで安高にいるんだよ!?」 「安高に入学したんだから当然だろ。これからの三年間も、よろしくな」
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