エコと信長の転校ゲーム

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「どうせ転校したって追いかけてくるんだろ? なら無駄無駄。たとえ俺が外国に逃げ込んだってついて来るくせに」 「まあね。じゃあ、俺さんが追いかけてこなかったら転校するのか?」 「ああしてやってもいいさ! 女子に転向してでも逃げてやるね」 「そうか。それは壮絶な覚悟だな。――じゃあ、転校ゲームをしよう」  横目に見たエコのメガネがきらりと夕日を弾く。やたら長いもみあげが不自然に揺れ、口の端が吊り上がる。  エコの見せる知的な風貌。まさに優等生と言わしめる微笑。これが出たら嫌なことしか言わないし起こさないし見せつけない。
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