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「転校、ゲームだと?」
「そう、転校ゲーム。もし信長が勝てたら君は好きに転校してくれて構わない。俺さんは決して追いかけたりはしないという条件でね。
……もちろん、別人に成りすましてなんてこともしない。もし転校が嫌なら俺さん自身が居なくなってもいい。どうだい?」
矢継ぎ早に繰り出される勝利報酬。ゲームの概要すら述べていないのに、これだ。
真っ先に報酬を出す時は俺に不利な内容でしかない、はず。
「どんなゲームするんだよ?」
「それは明日教えてあげよう。信長の参加意志が聞けたから、楽しみにしているよ。じゃあね」
「おい、ちょっ……」
最後にエコは中性的な笑みだけを残して、曲がり角を折れていった。俺の静止すら待たずに。
いきなり転校しないか、だなんてイカれていやがる。
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