エゴイズム・トランスファー

エコと信長の転校ゲーム

　今すぐ転校して行方を眩ましてでもエコから逃亡したい気持ちはある。エコのまとわりつかない一日というものを、常に体感したいぐらいだ。

　とはいえ、別に俺はエコがひどく嫌いなわけじゃない。

　しつこいくらいの好意は理解しがたいが、それを除けば能力的には好ましい人間だ。誰だって無報酬の愛情というものは好きだと思う。

ただその好意が、俺だけに被害をもたらさなければの話だ。

　ただ俺は、エコの――江ノ口英雄(えのぐちひでお)の招いてくる災難だけが、苦手なんだ。