りりかの物語

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「りりか~!りりかぁ~!朝よ~!早く降りておいで~!」 朝から井出家には母親の声が響いていた… 「ったく、うっせ~な!朝からテンション高いんだよ!あのババァ」 りりかは布団からでると、下で叫んでいる母親に毒づいた。 ベッドの下に置いてあるお気に入りのキティのスリッパを履いて、ゆっくりと部屋のドアを開けた 「あっ!姉ちゃん!おはよ…」 部屋から廊下に出ると弟の卓也がいた 「珍しいじゃん。卓也がこんなに早く起きるなんて」 りりかはまだ目をこすっている卓也に問いかけた 「あんなに母さんがうるさかったら、イヤでも目が覚めるよ。 それに今日は国語の豆テストの日だし」 「ああ、あの特進の鬼教師ね」 りりかは笑いながら階段へと向かった。 卓也もその後を追いかける。 「そそ、あの教師~!方針が意味不なんよね」 「あたしが通ってるときもそうだったよ」 卓也が通っている中学は私立月新館中学。 りりかの卒業した中学でもある 「あっ!おれ小便!」 階段を降りおわって、卓也はトイレに駆け込んだ。 「汚いな~!」 りりかは笑いながら洗面台へ向かった そこで寝癖を直して、顔を洗った。 鏡をみて、りりかはふと思った。 中学の時は楽しかったな…
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