第一話

6/10
前へ
/10ページ
次へ
俺達が来たのは何時も練習している音楽室の隣にある準備室だ 話し合いをする場合、ここに集まる 「詩舞!」 「椎~!呼んできてくれてありがと~!」 「どーいたしまして!」 藤本先輩と話しているのは小野塚詩舞(オノヅカ シマ)先輩だ 背が小さく天然で、よく小学生に見られるらしい そして 俺の想い人でもある 何時もニコニコ笑っている姿に、柄にもなく一目惚れってやつをしてしまった 因みに小学校からの初恋である 「君が恋ですか……人は見かけによらないもんですね」 「うお!背後に立つな!」 「今来たんですよ」 こいつは、パーカッションの最後のメンバーである、佐方華憐(サカタ カレン)だ 敬語なのは「誰にも失礼のないように」って言っていた気がする 「で、告らないんですか?」 「なんで知ってるんだ」 「そんな事どうでもいいんです。告らないんですか?」 そんな事って、俺にとっては大事な事だ 佐方は小学校からの付き合いだが、昔から情報屋だった 生徒は勿論、先生等の情報を知っている 余り、人付き合いしない方なのに何処から仕入れているのかが不思議だ
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加