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一瞬だった。
一瞬で俺の好美2が偽物の好美2によって切り刻まれた。
鎌鼬がおきたのだ。
偽物好美2の刀から。
もちろん こんな好美2の技は知らない。
見たことがない。
というよりこんなコマンドは無い。
事実、戸惑いと一撃で負けたショックが入り混じった感情がぐるぐるとまわっていた。
ファイナル ラウンド!
このアナウンスで我にかえった。
そうだ! まだ1ラウンドある。
負けた訳じゃない。
勝負だ! 木チン!
次は何だよ!
何のキャラだ?
俺の目に映ったのは
今まで見たことがない動きの木チンだった。
正体不明の木チンは好美2に華麗なる蹴りやパンチのコンボをくらわせた。好美2は倒れた。
呆気にとられて見ていた。
見たことがない華麗すぎるコンボと木チンに感動した。
ラウンド1を動かなかったのは俺の興味をひくためのサプライズだったのかもしれない。もしくは王者の余裕だったのかもしれない。
そしてこの木チンは本来の木チンなのだ。
正真正銘の木チンだったのだ。
他のキャラクターのマネではなく自由に動き回っていた木チンはとても、いきいきとしていたように見えた。
今までのモヤモヤがスーと消えていくのがわかった。
それと一緒に右目から一筋の涙が流れていた。
この戦闘を見ていたオタっぽい風貌のやつらがざわついていた。
まあ全員俺の友達だけど。
あれはぬしですよぉ!
ぬしは神出鬼没!
1ヶ月ぐらい前から存在が有名になり、今まで目撃者は多数いたとされていたのですがその証言に信憑性が無く噂だとなっていましたが…。
この動き…。
噂は本当だったのでござるな!
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