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ついてない…。
そういえば占い十二位だったっけ。よくプレゼン成功したな…。それよりも………
ヤられた?…あたし……
ゆっくりと瞼を開けた。視界がはっきりしてくると白い天井が目に入ってきた。あたしはベッドに寝かされているらしい。
身体を起こそうとしたが、全身が鉛のように重い。現状を把握しようと、部屋を見渡した。壁は一面白く塗られて、扉と窓が一つずつあり窓には白いカーテンがつけられていた。
家具的な物はあたしが寝ているベッドしかない。
きぃ…と扉が鳴いて、そこから銀色が覗いた。
そして声をかけられた。
「大丈夫?」
あの銀色がすぐそこにいる。低い声があたしの耳を擽った。その姿は初めて銀色を見たときに着ていたスーツではなく、今はジーンズに白いTシャツ、黒いジャケットを着て、袖を肘の辺りまで捲っていた。そこから細くも太くもない、適度に筋肉がついた腕が覗いている。
その服装に銀色が映えて、思わず魅入ってしまった。
「……っあ…」
うまく声が出せない。
「ムリすんな。あんな事があったんだ」
銀色はそう言って扉を閉め、こちらへ歩いてきた。
あたしは重い体を起こし、銀色に向かって座りなおすとお礼を言った。
「……ありがとうございました。た、助けてくれて」
助けたなんて一言も聞いていないのに、この人が助けてくれたんだと確信した。
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