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なんて。 今はそれどころじゃない。 「佐藤!!急げ!!」 数メートル前を走る課長に急かされ必死に走る。 「はっ…はい!!」 正直、返事なんてしている余裕など一切ない。中学生の頃から運動など授業でしかしてこなかった。 その身体に急げなんて酷だ…などと考えながら課長の背中を追った。 「ハァ…なんとか間に合ったな。……大丈夫か?酷い顔してるぞ」 「……酷い顔とかやめてください…一応女性ですよ」 今日は会社の取引先で大事なプレゼンがある日だ。このプレゼンを成功させるために半年前からせっせと準備をしてきたのだ。 あたしの課は課員が六人しかいない。ちなみにあたしは紅一点。二十歳の時に就職して四年がたっていたがそれが変わることは一度もなかった。
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