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ゆらゆら… ゆらゆら… あの銀色が遠くで揺れている。 夢にみるなんて… 銀髪なんて珍しいからきっと目に焼き付いたんだ。 インパクトありすぎだったからな…。 とんとん… 「起きろ。もうすぐ着くぞ」 「うぃ」 「うぃって…これから取引先に行くんだからしゃきっとしろ」 「…はい」 電車から降りてタクシーを拾った。 車内で市上課長と少しの打ち合わせをし、身嗜みを整えた。 「緊張しますね」 「ここの上役は厳しいからな。少しでも解らないことがあるとつっこんでくるから」 「(…早速プレッシャーかけてきやがった) でも市上課長は何度も来てるんですよね。だったら安心です」 「お前もいつかは一人でやってもらうからな」 「ムリです」 そんな会話をしながら取引先に足を踏み入れた。
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