殿軍

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後世の歴史上、戦国とか安土桃山などと呼ばれている時代、諸侯大名が、碁盤の目を競うが如くに天下の覇権を争っていた。 現在の中国地方の一角、出雲国での話。 この頃、出雲国を支配していたのは大名尼子義久である。 永禄5年(1562年)、安芸国の大名毛利元就の軍勢が、石見方面から出雲国境を越えた。 毛利軍は、児玉就方率いる安芸水軍が、いち早く宍道湖の制海権を確保すると、要所を押さえて、島根半島を孤立に追い込んだのである。 それに対する出雲国の最前線では、刺賀岩山城が落城し、その風を望んで多胡、三沢等、西出雲の有力国人衆は、ことごとく毛利の軍門に降ってしまった。 続く永禄6年(1563年)8月13日には、元就は、15000人の兵を率いて、出雲国内の白鹿城(しらがじょう)を包囲した。
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