光秀

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その後、道三が義龍に敗れると流寓の身となってしまったのである。 各地を転々とした光秀は、越前国に至り朝倉義景に召し抱えられることとなった。 丁度その頃、京では、将軍足利義輝が暗殺されたのである。 そして、永禄9年9月に足利義輝の弟、足利義秋が、朝倉義景の元に身を寄せた。 この足利義秋なる人物は、将軍暗殺の際、僧籍にあり覚慶と称していたが、三好一党に捕らえられて幽閉されていたのである。 しかし、幽閉の任に当たった松永久秀の監視の目を盗んだ幕臣に助け出された覚慶は、還俗して足利義秋と名乗り、各地を転々としながら上洛の機会を窺うようになり、結果として、朝倉義景の武力を頼んで越前国に寄寓してきたのだ。 朝倉義景は、足利義秋を礼遇し、明智光秀にその接待役を命じた。 接待役として義秋の身辺に侍るようになった光秀は、義秋を擁して足利幕府再興する志を固めるに至ったという。
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