虎変

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皆が改めて座に治まると、小春の処遇が問題になる。 「あの娘のことはどうするつもりです?」 となみが鹿介に尋ねた。 鹿介は、 「何処ぞに良い家があれば養女に、と思うのですが…」 鹿介も、小春の次々と転変する身の上を思うと歯切れが悪くなってしまう。 八重は黙って俯くと何事か考え込んでいる。 なみは、そんな八重に視線を送り、 「それは、どうなんでしょうねぇ。」 とやはり考え込んでしまった。 翌日、朝餉を済ませた鹿介は、帰着の挨拶のため、立原久綱を尋ねようとしていた。 家を出掛けに、鹿介が鞋を履きかけると、八重がそれを引き留め、 「あの娘のことですけど。」 と話を向ける。 鹿介が八重に向き直ると、土間にいる小春にも八重の声が聞こえているのだろう、チラチラと二人の様子を見ているのが目に入った。 八重は思い切って、 「小春ちゃんを此処におくわけにはいきませんか?」 と続ける。
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