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「あのねあのね、ヒースくんがね~♪」
もはやクリームの残骸にさえ目もくれないサキは、うっとりとこう語る。
「…『ハツキは俺のもの』だって~!」
『言ってない言ってない』
ハモったのは、焦る私と冷静なヒース。
嬉しいような、悲しいような……
「えー?でも今、確実に!ヒースくん、『嫉妬してました発言』したよね~?」
「へぇ、それマジ?」
「マジマジ~♪」
ニンマリとして、ヒースを見る二人。
私は信じられない気持ちで、ヒースをちら見した。
……バチッと、目が合った。
カァッと熱くなる私。
ヒースの、まだ私の頭に乗ったままの手に、力が入る。
そして――……
「…そうかも」
ボソッとそう言ったかと思えば、私はグイッと彼に引き寄せられた。
「~~~~!!」
声にならない声。
鼻血が出そうなのは、私もサキも同じだろう。
ヒースが……
私にヤキモチを妬いたなんて…!!
(可愛すぎ――……いや、嬉しすぎるーー!!)
鼻血はともかく、本気で涙が出てきた。
「…アレ、ハツキ?」
「うううヒース……好きー!」
「…あ、うん」
『そうかも』と言いながらも、その感情の意味をイマイチわかっていないヒースが、これまた愛しすぎて。
道中にも関わらず、私はヒースに抱きついた。
「……どうらっへんら、ほれは」
「あーらお目覚め?佐々木クン」
「…うぐっ……きもひわるひ……」
「ご愁傷様。所詮あんたはこういうオチだっての」
「…ひほいな……意味わかひゃんけほ…」
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