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ヒースと分かり合えた後、私は彼と分かれ、再び崎戸家へ。
ナナ達と何をやっているのかは、訊かれなかった。
ついさっきの事があったにも関わらず、信用されているんだなと実感し、嬉しくて顔がにやけてしまう。
それを親友二人に指摘され、からかわれるのはいつもの事。
「それにしても、佐々木くんには驚いたよね~」
チョコ作りを再開しながら、サキがニコニコしながら言う。
何がそんなに楽しいのか……
私は危うく、色んな意味で死にかけたのに…!
「受験があんなに人を狂わせるとはね」
「クリーム効果で少しは落ち着いたみたいだったけど♪」
「いや、今頃死んでるかも」
「え?」
「あれ、うちの冷蔵庫にあった、消費期限切れのクリームだから。変色ぎみのね」
『…………』
もし飲み込んでいたなら、彼のお腹は一大事だ。
「でも、ヒースくんが一緒だから大丈夫じゃない?」
「ヒースには、『何が起きても手を出すな』って言っといた」
「さ、さすがナナ♪」
「…心配だなぁ……ヒースが」
そう。
分かれた後、ヒースは佐々木くんと一緒にいるのだ。
なんでも、コリンくんも呼んでバスケをしに行くだとか。
「ま、いいんじゃん?少し痛い目に合うべきだよ、佐々木は」
「ね~!クリームくらいじゃぬるいぬるい!」
「…そこまでしなくても」
さすがに可哀想に思えてくるが。
「何言ってんの。あいつ、別れの危機に陥らせようとしたんだよ?」
「う……でも、私も油断してたというか…」
「一途なのは感心するけどね~。今日の佐々木くんはちょっと、危ない方向に進んじゃってたよね」
「これからも気をつけなよ、ハツ。もしもの時は、急所狙いな」
そんな物騒な…!
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