ハッピーバレンタイン!!

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*** チョコ作りが終わったのは、もう日も沈んだ頃だった。 大量の板チョコを刻んだにも関わらず余ってしまった材料は、ひとまずナナの冷蔵庫にしまわれている。 私はできたての生チョコとチョコケーキ、チョコクッキーを持って、とある場所に来ていた。 「……あ」 テンテンと足下に転がってきたのは、バスケットボール。 転がってきた先には、ヒースがいた。 「…待たせてごめんね、ヒース」 「早かったよ。さっきまで佐々木とコリンもいたし」 「あはは、二人にも呼び出しかかったでしょ?」 「うん」 暗い体育館はひんやりとしていて、声がよく響く。 他二人を呼び出したナナとサキも校内にいるはずだから、声が聞こえてやしないかと少しドキドキする。 「荷物重そう」 「えっ」 「貸して。持つ」 「!ううん、いいの!あ……後で持って?」 「?…わかった」 ヒースの目が荷物に向いた瞬間、ギクリとしたものだが…… よかった。少しでもバレないようにと、外側は可愛くないにも程がある地味袋に入れた甲斐があった。 「…ヒース、いつまでいれるの?」 ボールを片付けるヒースの背中に問いかける。 明日までいるとは聞いていたが、『日付が変わってすぐ』という事もあり得るから。(以前レイに使われた手だ) 「お昼過ぎまで」 「…そっか」 「ハツキはいつまで?」 「え?」 「もう暗いけど。門限何時まで?」 グッと、顔が熱を帯びた。 まさか私に、こんな言葉を言う時がくるなんて――…… 「今日は……か、帰らなくても、大丈夫なの」 …言っちゃったぁぁー!! .
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