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また咲人だろうか。
そう思い立ち上がって確かめに行こうとした矢先。
白衣の怪しい奴らが入って来た。
「...あ?」
「043番を連れて帰ります。」
そう言うと真っ直ぐ黄泉の所へ向かい、
黄泉の腕を掴んで引っ張った。
「やっ...痛いっ..」
泣きそうに顔を歪める様子を見た瞬間
新弥は白衣の人間を払い黄泉を強く抱きしめた。
黄泉がこんな表情するってことは
連れて行かれたら辛いってことだ。
俺は黄泉の幸せだけを願ってる。
「043番を渡してください。」
「いやだ!
だれがなんと言おうが俺はこいつを放さねえ!」
白衣の連中がなにか話してる。
そして新弥たちの方を向いて言った。
「では一緒に来てもらおう」
すると黄泉の表情が変わった。
「だめ!
俺、行くから!
新弥はだめ!」
行くべきじゃない。
大切なものが壊されるのはいやだ。
自分ならどれだけ傷付けられても構わないから。
だから彼だけは。
その言葉も想いも虚しく、
"2人"は連れて行かれた。
新弥は動じなかった。
覚悟しているかのように。
「ごめんね新弥...俺」
「どうだっていい。
俺はお前さえ側にいればいい。」
待っているのが地獄だったとしても
お前とだったら堕ちよう。
愛してる。
next.
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