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自然と覚醒しようとしている。
瞼が徐々に開き朝日を感じる。
寝ぼけながら目を開くと、
視界いっぱいに可愛らしい人の顔が広がっていて。
くりっとした目を凝らしてじろじろと新弥の顔を見ていた。
「うお..っ?
お、起きたのか...」
話し掛けられると
にこ
と笑い新弥の首に腕を回した。
新弥の無意識かそのニンゲンが意識的にしたのかわからないが同じ布団に入ってほぼゼロ距離だったため、その行為に新弥は素直に反応した。
その子の腕は華奢で、顔は少し丸い。
細く綺麗な金色をした髪に、
吸い込まれそうな目。
とどめは、柔らかそうな、少し厚い唇。
新弥は何かに憑かれたようにその唇に口づけた。
そして最初に包まっていた毛布を片手で取り抱きしめた。
と、ハッと我に返り新弥は唇を放した。
「えっ...お、おま...
お前、男か!??」
そう。
彼は見た目で女の子だと思っていたのだ。
一言も喋っていなかったし何より小柄で可愛らしい童顔。
間違えてもおかしくないだろう。
「うん...おれ...男...」
キョトンとして驚いている新弥に頷く少年。
どうやらこの少年は男同士で、とかそういう偏見や嫌悪感などが全くないらしい。
新弥は再びその少年の方に目を向けると、男だとわかったのに
犯したい
などという思考に駆られた。
駄目だ相手は...
そう思ってはいるものの本能的な欲には勝てず再び口づけた。
今度は噛み付くような欲望的なキスだった。
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