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「んぐ...ッ」
少年はまだキョトンとしている。
舌を割り込ませると少年は目を閉じされるままになっていた。
たまに小さく声を洩らす少年に、新弥は我慢しきれなくなっていた。
一通り咥内を犯したあと唇を離す。
見下ろすと少し息苦しかったようで、熱に浮かされたような蕩けた表情をした少年がいた。
その顔にまた欲情し彼はついに行為に及ぼうとした。
何も纏っていない身体を撫で胸に唇を這わす。
するとさっきまで大人しくしていた少年は突然何かを思い出したかのようにビクッと震え身を屈め泣きそうな顔で怯え始めた。
それを見れば流石に続ける訳にもいかないので新弥は少年の頭を撫で心配そうに言った。
「おい..大丈夫か?
悪かったよいきなり...」
「ごめ、なさい...
えっと...」
「あ、俺新弥」
「にい、や...」
「そうそう」
会話をしていてもまだビクビクしている少年。
小さく震える声で言った。
「俺、よみ...」
「黄泉?」
聞き返せばコクンと頷く。
どこから来たんだと問えば、どこかの研究所だという。
そこで育てられ、ずっと行為ばかりされてきたそうだ。
だけどある時それが嫌になって飛び出して来た。
そして...
「そんで俺が拾ったってことか」
「うん。」
「そんな事情があるなら仕方ねえ。
ここにいろよ。」
「うん!」
覇気のない表情だったけど
無邪気で無垢な笑顔で嬉しそうに答える少年に、少しだけ幸せを感じた。
これから待っている運命も結末も知らずに。
next.
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