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「…綺麗な顔してるのね…怪我、してるじゃない…」
クスクスと笑いながら彼女は、いつの間にか出血していた手の甲へ口付けた。
溢れる血を貪るように。
けれど、優しく。
「ッ…、…貴女は…何なんです…?」
ピリリとした痛みが走った。
やっとの思いで言葉を紡ぐが、身体に力が入らない。
精気をその傷口から吸い取られているかのような感覚に襲われた。
「ん…、私?私は…魔女よ」
チュッと音を立てて唇を放せば、手の甲の傷など綺麗さっぱり消えていた。
「魔、女…?」
何故魔女が人間である私を助けるのだろう。
意味が分からない…。
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