冬の序詞

12/44
前へ
/169ページ
次へ
▽ あの時…結果のメインカードは、"Ⅹ"だった。 確かにそれだけは覚えている。 内容は…覚えてないが…。 (それで、今日のこれも占いか。 たぶんそうだろうな。) きっと、朝来たついでに置いていったのだろう。 "ⅩⅦ"と絵柄のかかれたカードを見つめるが、もちろん意味など書いてやしない。 しかし、考えていると一つ気がついた。 (てか、これじゃ逆向きじゃないのか…?) でもついに、諦めて思考を止めた。 そもそも、考えてもわからないし、そんな時間もない。 電車においていかれる。 初日の式だし、少しは余裕を持った方がいい。 もちろん、休み明け初日から遅刻するなんてことは避けたい。 「オレがわかんなきゃ意味ないよな…。 まあ、そこまで信じちゃいないが。」 棚の上のカードを裏返して家を出た。 (…急ごう。)
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加